100人の店長がアンケートに答えた!シゴデキ店長の錬金術

2025.05.15 / ホール

出してることも利益を取ってることも伝えなきゃ♪

ユーザーの間では、SNSを中心に「出してないホール」「出さない店長」への批判が日常的に飛び交っている。しかし、現場の実態を取材すれば見えてくるのは真逆の事実だ。出玉はしっかり提供しているが、きっちり利益も残す。これこそがシゴデキ店長。本特集では、全国100名のシゴデキ店長たちにアンケートを実施し、出玉と利益を両立するためにどんなエグい手法を考えたりするのか、具体的な思考・業務・判断基準を調査。出すことだけが仕事じゃない、利益をつくることが店長の本当の仕事。その当たり前の事実を、現場の声から明らかにしていく。


 

「あなたの店舗は赤字ですか?」という直球の問いに、100人中83人が黒字と答えた。出玉演出や集客施策の裏にあるのは、店長が日々向き合う「利益を残す」という責務なのだ。出玉を出すことで人気のホールでさえも基本的には変わらない。ホールは来店客に楽しさを提供する場所である前に、企業である。ただし、出玉を出す日もあることも事実。その間を楽しむべきだ。

 

店長の本音は、いつだって「利益を取りたい」に決まっている。だがそれをSNSで冗談交じりに言えると答えたのは、わずか13人だった。出玉は発信できても、利益の話はタブーになりがち。ただ、それをオープンにしてもなお集客できちゃうのが、シゴデキ店長ではないだろうか?

 

PART.1  店長たちが考えるシゴデキってどんなこと?

 「この店、最近出してないよね」

 そんな言葉がSNSに飛び交う日常の中で、本当に出していないのか、それともそう見せているだけなのか。その違いは案外、深い。

 今回、小誌では全国の店長100人に「あなたにとっての“シゴデキ店長”とは?」と尋ねた。返ってきた答えの多くに共通していたのは、“出す”だけでは評価されないという現場のリアルだった。

 「薄利でも稼働を持続させ、ホールとお客さまがwin-winの関係を築ける人」

 「必要最低限の投資で、会社の予算を達成できる人」

 「出してないように見えて、稼働を上げ、粗利を残せる人」

 「法令を守りながら、数字と信頼の両方を勝ち取れる店長」

 つまり、彼らが定義するシゴデキとは、出玉の多寡ではなく、数字とユーザーの感情の両方を設計できる能力のことを意味していた。利益だけを追うのではなく、利益を生み出せる土壌、つまりお店としての楽しさを、日々の営業の中でつくっていく。それがプロの仕事なのだ。

 プロの仕事は利益を生み出す。しかし、1日の営業だけを切り取ってみればお店が赤字の日もある。では、店長たちはどんな時に「出した」と感じるのか。台あたりの差枚数を聞くと、「200枚」「500枚」「1000枚」と数値で答える人もいた一方で、「差枚では語れない」「高設定を入れたら十分」「お客さまの反応があったときが基準」という声も目立った。中には「出したと自分で思ってしまうことが間違い。お客さまが決めること」と断言する店長もいた。

 出す日もあれば、抜く日もある。だからこそ、ユーザーに誤解させてはいけないのは、店長が「常に利益を取ろうとしている」のは当たり前の姿であるということ。胴元が負けるギャンブルなどこの世に存在しない。この部分をオープンにするかしないかは人次第だが、引け目を感じるべきでもない。

 そう考えると、店長たちの「今日は勝たせたい」「今日は話題をつくりたい」を意図的に見抜かせ、コントロールしていくことを考える必要があるだろう。それが次の集客につながり、そして、その設計力こそが、シゴデキの本質だ。

 ホールは、ユーザーに遊技という体験を提供し、その納得感を通じて再来店を促す。その積み重ねが、長期的な利益を生み出していく。出してないように見える店長は、本当に何もしていないのか。むしろその裏には、目には見えない「戦略の静けさ」や「駆け引き」があるはず。それが、パチンコホールを支える“シゴデキ”のリアルである。

 

あなたにとってのシゴデキ店長の定義を教えてください。

600台規模、地域1番店

🗣️薄利で集客力があり客とホールがwin-winの関係を持続できる


400台規模、地域2番店
🗣️会社の予算の達成。商材は必要最低限、会社、店舗、人などの価値でブランディングで集客を産み出せる人

800台以上、地域1番店
🗣️予測をし、計画を立て、その通りに営業できること

800台以上、地域2番店
🗣️まったく出さずに稼動が上げられる店長

400台規模、地域3番店
🗣️会社の要求する数字を達成して、さらにお客さまに満足していただくこと

400台以上、4番店以下
🗣️法令遵守で結果を出す。人脈と情報強者

800台規模、地域2番店
🗣️ユーザー心理を理解しながら会社のノルマを達成することができること。部下の協力をいつでも得られること。お客さまに自分の信者ができること

400台以上、4番店以下
🗣️三方よしを実現する人。顧客・パートナー企業・自社

600台以上、地域1番店
🗣️売上アップ、粗利アップ、客数アップ

600台規模、地域1番店
🗣️お金をかけ過ぎずに集客したい時に集客できる引き出しをたくさん持っている店長。しっかり粗利を残せる店長

800台以上、地域1番店
🗣️集客と利益を両方最大化していける店長

 

 

「出したな」とご自身で感じたときの台あたりの差枚数はどれくらいですか?

●パチスロの台数に対して全体赤100万円くらいが基準です。それくらいでお客さまの印象も現場で良い印象の声が多い。
●大赤字にする必要はないと思う。
●競合店もあまり出せないから
●ユーザーの話題にあがった時、顧客からの生の声
●差枚数では判断しない。 差枚では語れない。『出したな』自身で感じたらダメ。お客さまが決めること
●△5000玉
●差枚はアウトによって変わるので利益率で5%程度。理由は赤字の日があると他の日の利益率が割を食うから
●出玉じゃなく高設定入れたら

 

 

PART.2  より多くの利益を生み出すために
店長たちはどんな出し方をして永遠の矛盾に挑んでいるのか?


「より大きな利益を取るために出玉を出す」と考えた時に、
どんな出し方をしていますか。
利益を生み出すための出し方・設定の入れ方のテクニックを教えてください。

 

800台規模、地域2番店

🗣️バラエティーを強めに扱う

600台規模、地域1番店

🗣️かなり細かくあります。商売道具なので、退職してからならオープンにできます(笑)

800台規模、地域1番店

🗣️ヒントは言うが答えは言わない

800台規模、地域2番店

🗣️Pは1週間赤字営業、Sは3日間赤字営業

400台規模、地域3番店
🗣️
ユーザー目線で考えて出す

800台規模、地域2番店

🗣️IN枚数の最大化、ユーザー勝率

800台規模、地域1番店

🗣️告知する放出と告知しない放出を組み合わせて、信頼を積み上げる。告知すると顧客の期待値は高いので、集客は良いが金は掛かる。

告知しないと顧客の期待値は低いので、集客は地味になるが、費用は最小限で大きく期待値を超えることができる。

400台規模、地域3番店

🗣️特定日は大きく赤を打つ日を月2くらいで他は出率100前後にする

400台規模、4番店以下

🗣️全台系は極力しない。メイン機種で出率の低い台は可能な限り6を使用する

600台規模、地域1番店

🗣️角に高設定。それ以外はメリハリ。設定の分かりやすい機種に入れて、分かりにくい台には設定を入れない

400台規模、4番店以下

🗣️弱小なので伝わること優先

200台規模、地域2番店

🗣️Aタイプに設定入れて活気あるコーナーを作り期待感を持たせる

800台規模、地域3番店

🗣️店舗コンセプトに合う出し方+顧客が自分だけの特別感を感じる出し方

400台規模、地域1番店

🗣️売上をあげて、稼働を伸ばし、玉利を下げる

600台規模、地域1番店

🗣️インパクト(記憶)の残るorランキングなど記録に残る

800台規模、地域1番店

🗣️外部イベント日の前日もしくは翌日に出す。日曜日に出す

400台規模、地域2番店

🗣️バレバレじゃない絶妙な事前示唆(SNS)。有言実行(嘘をつかない)。朝イチカスタムは乱発しない(強い店はいいかもですが)。
カスタム機ばかりに設定を入れない。バラエティーにも設定を使い、バラで探させる環境をつくる

800台規模、地域2番店

🗣️長期目標の達成を念頭に、利益率を下げるための売上ポテンシャルを最大化することを目的に放出する。パチンコなら長期的にユーザー支持率を高める調整をし、パチスロならメリハリをつくりながら、注目されるほどのインパクトある設定の入れ方を月に1日以上はつくる。長期的な視点では利益率は下がるが、利益額は上がるように営業する。

600台規模、地域1番店

🗣️ある程度のメリハリ

 

 

1日の営業で出過ぎちゃった時、どんなことを考えますか。 

  

 

本当は出玉を出して利益を増やしていきたいと考えているけどそれができない方。
何の理由がそれをさせないのでしょうか。
問題だなと考えていることを細かく教えてください。

 

800台規模/地域2番店
🗣️会社の方針が違う


400台規模/地域1番店
🗣️リスクが高い。
月間での回収不可


200台規模/地域2番店
🗣️パチンコパチスロを
辞めた客が多い


800台規模/地域1番店
🗣️出し切らん、締め切らん。
場当たり的、中途半端


600台規模/地域1番店
🗣️機械代


400台規模/地域3番店
🗣️会社からの予算が
きつすぎるから


800台規模/地域2番店
🗣️出すのが普通になると
お客さまのハードルが上がっていく=期待を上回れなくなっていく


800台規模/地域2番店
🗣️会社のノルマがキツいため。上層部は昔の現場で営業していた頃の数値を基準に比較することがあるので、店長の長期的なストーリーを理解できずに目の前の利益を追い求める傾向がある。そのしわ寄せが店舗ノルマが高くなる原因。機械の購入采配も、メーカーとの付き合いなどでの購入がいまだにあり、圧迫されていることは問題だと考える。


400台規模/地域2番店
🗣️機械経費が圧迫する


600台規模/地域1番店
🗣️会社の仕組み。
特定日の放出を広告宣伝費として考えるなど


800台規模/地域1番店
🗣️出し方が下手、見せ方が下手、
伝え方が下手、知識が邪魔をして悪手をとっている。


600台規模/地域1番店

🗣️法人ごとの方針。予算。


400台規模/4番店以下
🗣️機械が高額かつ
寿命が短命のため、機械償却ができない。


400台規模/4番店以下
🗣️単月管理の評価制度、
利率指定、設定使用に対する小言。。。


400台規模/地域3番店
🗣️中途半端な出玉は
お客さまが体感できないのでパチンコ、パチスロ両方出しても数字が伸びない


800台規模/地域1番店
🗣️出す=還元やフォロー、利益調整としか考えていないからそうなる。放出は「顧客の期待値を超え、信頼信用の貯蓄をすること」に意義がある。よって、出玉だけではなく、それも含めた「感じさせ方」にこだわり、「あの店は楽しい」「何をしでかすか分からない」「ドキドキ感がある」と思っていただけないとリピートにならない。ただ出玉を放出するだけなら、無意味。


400台規模/4番店以下
🗣️短期の利益への会社からの要求


600台規模/地域1番店

🗣️出して利益も取れているので、
そんなこと思ったことないです。


600台規模/地域1番店

🗣️出しても稼働につながらない。
遊技人口が減っているため、出玉感が出にくいため、伝わりにくいため、昔のような賑わい感、出玉演出効果が薄い


800台規模/地域2番店
🗣️その日の営業のことしか
考えていないから


800台規模/地域3番店

🗣️イベント性が強すぎて
非イベント時の稼働(期待値)が低すぎる

 

「出せば赤字」「利益を取れば回収」。そう思っているユーザーは多い。だが、現場の店長たちは、その単純な二項対立を超えて、もっと複雑で、もっと矛盾に満ちた判断を日々下している。

 「出すこと」が、実は「利益を生むこと」に直結している。それが、100人の店長たちへのアンケートで見えてきた意外な真実だ。

 例えば、「Pは1週間赤字営業、Sは3日間赤字営業」「特定日は大きく赤を打つ。月に2回」。こう語るのは800台規模の有力店の店長たちだ。

 彼らはあえて赤字をつくる。しかも一時的にではなく、計画的に赤を打つ。それは「損して得を取る」という安直な話ではない。むしろ「赤をつくってでも、その先の利益を設計する」という、投資的な思考のあらわれだ。

 ただ出すのではない。出し方にも手法がある。角台や設定の見抜きやすい機種に高設定を入れる一方で、設定が分かりにくい台はあえて“沈黙”させる。Aタイプに活気を演出し、バラエティーコーナーには“探す楽しさ”を仕掛ける。「バラバラに撒くことで、自分だけが気付けた」と思わせる。その記憶が、再来店の理由になる。

 さらに出す日にも選択がある。「イベント前日」「週明けの日曜」「ランキングに残るようなインパクト重視の日」。それぞれに意味があり、ユーザーの期待値と出玉のバランスをコントロールしている。

 「告知する放出と、告知しない放出を組み合わせて、信頼を積み上げる」。ある店長はそう語った。見せて信じさせる日、黙って驚かせる日。その緩急こそが、店を無視できない理由になっていく。

 そしてもう一つ見逃せないのは、店の“個性”だ。地域一番店と四番店では、できる演出も違う。店長たちは、自店の立ち位置や顧客層に応じて、できること・伝わることを見極めている。出し方に万能な正解はなく、それぞれの状況下での最適解を模索し続けているのだ。

 店長たちは知っているのだ。毎日出し続けていたら、潰れるという現実も、出し方ひとつで利益が変わるという事実も。

 出せば赤になるが、出さなければ客が減る。客が減れば売上が落ち、結果的に利益も取れなくなる。そんな永遠の矛盾に、店長たちは挑み続けている。

 「利益を残すために出す」。この逆説の中で、店長たちは今日もまた、一手を打っている。 

 

シゴデキ店長の錬金術, シゴデキ店長
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