今年で7年目となる「米(マイ)ジャグラープロジェクト」が5月に始動した。いわきFCと地元の子どもたちによる心温まる田植え体験は、お米だけではなく希望と絆を育んでいる。
青空と新緑のコントラストが美しい福島県いわき市の田んぼで、今年で7年目となる米づくりが始まった。5月25日、北電子が主催する「米(マイ)ジャグラープロジェクト」の田植え体験会である。
福島県いわき市を発祥の地とし、例年通り宮城県東松島市、新潟県上越市の田んぼでもプロジェクトは進行中だ。
田植え体験会には、J2リーグ所属のいわきFCから、4番パク・ジュンヨン選手と28番棚田遼選手が参加した。また、地元の小学生から高校生までの子どもたち15人がファーム白石の田んぼに集まっていた。
田植えが始まる前、農家の白石さんは「苗は半分くらいまで植えてくださいね」と子どもたちにレクチャーする。子どもたちから「植え方を間違えたらどうしよう」と不安の声が聞こえてくると、白石さんは「間違ったら間違ったでしょうがないです。人間だから」と安心させる声かけをしていたのが印象的だった。
この日植えられたのは、福島県が独自に開発した酒造好適米「夢の香(かおり)」という酒米。昨年、同プロジェクトではコシヒカリを10アール(1000平方メートル)、五百万石という酒米を10アールの作付であったが、今年はコシヒカリを20アール、夢の香を10アールと、いわき市のプロジェクトだけでも作付面積が1.5倍となっている。
本プロジェクトの収穫米は、いわき市内の子ども食堂に寄付される。2023年度は約20団体への寄付実績がある。また、ジャグラーファンにノベルティーグッズとして提供されるなどの展開もあるだろう。昨年では五百万石という酒米品種のお米を使って焼チュー助という焼酎が製造された。
田植えを体験したいわきFCのパク・ジュンヨン選手は、「子どもたちがすごくかわいかった。自分もお米を食べてチームに貢献したいです」と語っていた。また、棚田遼選手も「普段子どもたちと関わる機会がないので、このような試みは楽しかったです」と感想を述べていた。
子どもたちの中には、昨年の田植えを経験した子もいて、どうやったら上手に植えられるか意気込んで参加していたようだ。憧れのサッカー選手と同じように田んぼに入り、一緒に田植えをするという経験をしたことで、「試合を観に行きたい」と答える子どももいたようだ。今年もよく育つようにと1本ずつ丁寧に楽しみながら苗を植え、時折、泥に足を取られながらも、その不便さすらも楽しそうで、笑顔が絶えない田植え体験会となった。
ここで、北電子の活動の意義を考え直してみたい。子どもたちのコメントからも、いわきFCは、地域に根ざした活動を通じて、単なる地元のスポーツクラブ以上の存在となっている。昨年の田植え、稲刈り体験に続き、今年も田植え体験に参加することで、地域との絆をさらに深めている。浜通り地区の代表として、彼らの存在感は日々増しており、地域社会の中での役割はますます重要となっている。
北電子がいわきFCのスポンサーを務めるようになったのは2022年のこと。2023年にはトップパートナーとしてより関係性を深めており、いわきFCが主管するJ2リーグの試合では、「北電子プレゼンツマッチ」も開催されているほどだ。
東日本大震災で被災したいわき地域の復興支援と、福島県いわき市の農家を応援するという目的で米ジャグラープロジェクトは始まった。北電子の担当者は言う。
「このプロジェクトを通じて、地域の絆を深め、未来の子どもたちに希望を届けたい」
「米マイジャグラープロジェクト」は、震災からの復興を目指す福島県いわき市の象徴とも言える活動となりつつある。北電子、いわきFC、そして地元の子どもたちが一体となり、未来への希望を育んでいく。田植え体験で見られた笑顔と絆は、地域の明るい未来を約束するものであり、その感動は参加者だけでなく、プロジェクトを支えるすべての人々の心に深く刻まれた。
株式会社 北電子 取締役 小河光弘 氏
Q 現在3地区で展開されているプロジェクトですが、最初にこちらの福島県いわき市を選んだ理由というのはありますでしょうか? Q 今年でプロジェクトも7年目となりますが、これまでの活動や今後の展望等についてお聞かせください。 Q 今回、いわきFC選手、地元お子さまと一緒に田植えを行いましたが、ご感想などありましたらいただけますでしょうか? |