中古機販売会社の名バイヤー、ケーエス販売福原氏が中古機トレンド情報を読み解き、ホール関係者が大事に使っていこうとする機種をピックアップ。ユーザーが狙うべき機種を厳選して紹介していく。
「Re:ゼロ2」「Pシン・エヴァ」の活躍で パチンコが復調の気配
新年あけましておめでとうございます。中古機動向から市場のおすすめになり得る機種を推測する連載も6回目になりました。今年も中古機動向をお伝えしつつ、注目すべき狙い目機種をピックアップしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
まずは簡単に昨年の振り返りから。
2023年は「スマスロ北斗」を筆頭にパチスロが盛り上がり、6.5号機、スマスロで多くの機種が活躍してくれました。当連載でもピックアップした「戦国乙女4」や「グランベルム」「主役は銭形4」など。また「ヴァルヴレイヴ」「炎炎ノ消防隊」「からくりサーカス」など、SANKYO系機種の活躍が非常に目立っていた1年だったのではないでしょうか。その後も「モンキーターン5」や「マジハロ8」など、新台からもヒット機種が登場したことは業界にとっても非常に良いサイクルになってきたと感じています(※期待はずれだった機種もいくつかありましたが……)。
一方で、しばらく低調だったパチンコですが、11月に登場した「Re:ゼロ2」や年末に登場した「Pシン・エヴァ」が好調で中古機価格も「Re:ゼロ2」が300万円超え、「Pシン・エヴァ」も100万円オーバーと高騰。ようやく復調の気配が見えてきました。長期にわたりパチンコの稼働を下支えしてきた「エヴァ咆哮」や「Re:ゼロ鬼がかりver.」のようになっていけるのか注目したいところです。
パチンコ復活の切り札になり得るか? ラッキートリガー搭載機の導入が迫る
ようやく復調の気配が見えてきたパチンコですが、今年の3月からは新しい仕様の「ラッキートリガー」搭載機種が導入開始となります。すでにいくつかのメーカーから登場する予定機種の噂も聞こえていますので、興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。
細かな説明は省きますが、簡単に言うと「ラッキートリガー」搭載機種は、
1.総量規制が6400個から9600個まで緩和。
2.期待獲得出玉の期待値は「(初回出玉を除く)6400個以上、9600個未満。
3.初回出玉を含めると一撃10000個以上の出玉性能を実現することが可能。
となっています。
これまでの既存の機種よりも(ラッキートリガーさえ引ければ)高い出玉性能を体感できるという感じです。この仕様が搭載できる機種は主にライトミドルや甘デジタイプとなりそうなので、ハイミドルで活躍している「Re:ゼロ2」や「Pシン・エヴァ」に続いて、他のスペックでヒット機種が登場すれば、パチンコ全体が盛り上がっていくかもしれません。
これまで「設定付」や「遊タイム」などパチンコの新機能がいくつか登場してきましたが、いずれもそこまで流行りませんでした。「ラッキートリガー」搭載機種が支持されるかどうか未知数ですが、パチンコの復活に向けて期待したいところです。3月から登場する機種に、ぜひ注目しておいてください。
とがった機種よりも遊びやすい機種 市場で流行っているスペック
パチンコでは一撃性能が高い「ラッキートリガー」搭載機種が近日登場ですが、パチスロの市場では一か八かのとがった機種よりも比較的マイルドな出玉性能を持つ機種の方が支持を集めやすい傾向にあると思います。12月の中古機動向を見るとスマスロの「バジリスク絆2天膳BLACK」が200万円を超える高額取引となっており、目立っていました。しかし、本機は新台であり、全国的にまだ納品が終わっていないため、台数が足りていないことも影響しているかと思います。
そんな中でじわじわと需要が高まっているのが「マジハロ8」(約70万円前後)「エウレカHI-EVO」(約65万円前後)「モンキーターン5」(約60万円前後)など、比較的遊びやすいと言われている機種です。これらの機種は稼働も良好で、これまでパチスロの稼働を牽引してきた間口の狭い上位ATを目指す一撃性能の高い機種に対して投資疲れがあるのかもしれません。
パチスロは一撃性能の高いAT機よりも 比較的マイルドな出玉性能を持つ機種が人気に!
通常のATやARTでコツコツ出玉を増やす。もしくはそれらで出玉を維持してボーナスで増やすというタイプで遊べる機種の方が今のニーズに合っている可能性は高そうです。このような状況になりつつあることを考えると、ジャグラーシリーズをはじめとするノーマルタイプに加えて、これからは純増1.0枚から2.0枚くらいのARTやAT機で稼働をキープしようとするホールが増えてくる可能性も十分にあるでしょう。