北電子が震災復興として続けている稲作プロジェクトも第6期目を迎えている。10月・11月に福島県いわき市と宮城県東松島市で行われた稲刈りの模様をレポートする。
「米(マイ)ジャグラー」として作られているお米は、3つの地域で4品種。福島県いわき市での「コシヒカリ」と「五百万石」、宮城県東松島市での「かぐや姫」、新潟県上越市での「みずほの輝き」を育てている。
いわき市での稲刈りは、北電子がトップパートナーを務めているJ2リーグいわきFCから、大倉智代表、黒宮渉選手、辻岡佑真選手も参加した。
取材後に稲刈り参加者が試食した地元の料理はまさに絶品。収穫したてのお米は、普段スーパーで購入するものよりもふっくらと豊かで風味もよく、明確な違いを感じられるほどの仕上がりだ。
大倉代表は、「地元の常磐もののヒラメやサンマ、お野菜なども、まだまだ風評被害がある中で、選手が食べて活動していくことは大きなメッセージになると思います。とても大事な取り組みなので、北電子さんと一緒になってこの活動を進めていきたいです」と語った。
東松島市での稲刈りでは、ここでしか育てられていない「かぐや姫」という極晩生品種の稲刈りを見学。農家の木村さんはコンバインで約1時間ほどで収穫を完了した。
両地域とも、今年の米作りは気温の高さがポイントとなった模様。気温が高かったため稲の成長が早くてかつ豊作。稲刈りの時期も例年より2週間ほど早いのだとか。その分田んぼに張る水の水温調整などの難しさもあった。
作られたお米は地域のこども食堂に寄付するなど、有効に活用していくとのこと。震災から12年が経ったとはいえ、復興はまだ続く。育てて、食べて、寄付して、関係者すべてを支援する活動は今後も継続されていく。
ー小林副社長は春の田植えにも参加されていますが、今回は稲刈りにも参加ということで、全体を通してご感想等いただけますでしょうか?
まずは、9月の豪雨で被害に遭われた方々がいらっしゃいますが、その方々にお見舞いを申し上げるとともに、1日も早く普段の生活が戻りますよう祈念しております。そういった大変なこともあった中、今回、無事に稲刈りを迎えられ、春に田植えした稲を自らの手で刈り取るという貴重な体験ができたのはよかったです。
ー今回、福島県、浜通り地区の秋の収穫物を実際に食べられてみていかがでしたでしょうか?
率直に美味しかったです。お米、農作物、魚を含め、東京からさほど遠くない場所でこれだけの美味しいものを食べることができるんだと認識することができました。現地で食べるというのが、さらに美味しさを増しているのかもしれませんね。
ー今回のプロジェクト収穫物であるお米ですが、どのように活用するか等決まっていますでしょうか?
直近の過去2回同様、地域のこども食堂への寄付を予定しております。寄付するお米が新米ということもあって、ご好評をいただいていると聞いております。また、それとは別に今回のお米を使った企画も検討しておりますので、決まりましたらお知らせしたいと思います。
ー最後に、「米ジャグラープロジェクト」について、今後の方針や展望等ありましたらお聞かせいただけますでしょうか?
プロジェクト全体としては、現在3地区にて実施しておりますが、地元農家さんを応援することを通じて、地域に貢献するべく今後も継続できればと考えております。こちらいわき市においては、以前のようにファンの方々をご招待して体験いただいたり、いわきFC様と共同で活動するなど、皆様と一体となってさらに盛り上げていきたいと考えております。