2024年3月期第2四半期(7-9月期)の決算発表が終盤を迎えている。PiDEA X WEBでは2回にわたり、パチンコメーカーの業績を速報としてお伝えする。
SANKYO<東証プライム6417>は11月7日の大引け後に発表した(括弧内は前年同期比)。
売上高は1161億9000万円(66.1%増)、本業の儲けを示す営業利益は454億6000万円(72.1%増)。本業以外の収益や損失を考慮した経常利益は458億6300万円(70.9%増)、最終の利益となる純利益は327億8700万円(53.9%増)。進捗率は既に76.4%となっており、シン・エヴァンゲリオンの販売も控えていることから、市場関係者からは「上方修正ほぼ確実」との声が聞こえてくる。
好業績を牽引したのはパチンコのPフィーバー機動戦士ガンダムSEEDであろう。販売台数は50,100台に達し、上半期のパチンコ商戦をリードした。エヴァ15の再販も引き続き好調で13,500台にも及んでいる。SANKYOのパチスロ部門は安定したセールスを記録する傾向にあるが、Lからくりサーカスが13,200台、Lエヴァンゲリオン〜未来への創造〜が17,700台。さらに前期の炎炎ノ消防隊は15,000台であり、極めて安定している。「営業のSANKYO」の真髄を見せた格好だ。
セガサミーホールディングス<東証プライム6460>が11月8日昼に発表した決算内容によると、売上高は2211億5800万円(+47.3%)、営業利益は395億7900万円(4.1倍)。経常利益は420億6900万円(3.4倍)、純利益は231億1700万円(2.4倍)と、第1四半期に続いて絶好調を維持した。経常利益ベースの通期予想に対し、進捗率は66.8%に達しており、下半期期次第では業績の上方修正も視野に入る。
4倍もの営業利益を達成した最大の要因は遊技機販売の絶好調にある。筆頭はもちろんスマスロ北斗の拳だ。販売台数は実に67,521台。今年のNo.1パチスロになること間違いなしだろう。北斗の好調に引っ張られ、同じくスマスロのバイオハザード:ヴェンデッタは33,030台を記録。S機の傷物語-始マリノ刻-も18,156台と、定番機種の強さを見せた。
結果、まだ第2四半期ながらパチスロの販売台数は13万台を超え、遊技機部門の経常利益は前年同期比で約20倍。不振のエンタテインメントコンテンツ(ゲーム)部門を救う格好であり、数年前とは真逆の光景となった。
平和<東証プライム6412>は11月9日の大引け後に決算を発表。売上高は667億1500万円万円(▲5.9%)、営業利益は121億7100万円(▲20.6%)。経常利益は114億4700万円(▲24.4%)、純利益は74億3600万円(▲31.1%)で着地した。上記2社に比べ年間の進捗率は39.9%にとどまっており、下期の巻き返しが急務となっている。
今夏は100年ぶりの記録的猛暑となったものの、送風機付きのカートが好評を博しゴルフ部門は好調をキープ。また、カートのフェアウェイ乗り入れを有料化したり、ロッカー利用を選択制にしたりするなど、細かな料金設定が功を奏して113億円の営業利益を叩き出した(前年同期は97億円)。
一方の遊技機部門は不調。22億円弱の営業利益にとどまった(前年同期は70億円)。パチスロはL戦国乙女4が11,471台と安定した販売台数となったものの、パチンコはPシティハンターのライトミドルが1,702台、スマスロキャッツアイが1,590台と、極度の不振に陥った。3Q以降は久し振りの羽根モノ「ポチッと一発!おだてブタ2」が控えており、業績の起爆剤として日本全国に広く導入されることを期待したい。