6月8日に開催された日電協の通常総会で新理事長に選任された小林友也氏。5年前の遊技機の規則改正に加え、約3年にわたるコロナ禍という長いトンネルを抜け、6.5号機、スマスロの登場など明るい兆しが見え始めた。そんな今のパチスロ市場で、今後どのような取り組みに注力していくのか。小林新体制が目指す方向性を聞いた。(6月27日/日電協会議室)
―日電協の役員改選では小林理事 長をはじめ、副理事長、理事の世代が大きく若返りましたが(注/日電協新役員参照)、この特徴をどう生かしていきたいですか。
小林理事長(以下.小):確かに若くなりましたが、みなさん経験豊富な方々ばかりです。私は組合歴30年ほどになりますが、今回の理事の中には私と変わらないくらい(組合歴が)長い方もいらっしゃいます。ですからいろんな案件について一緒になって考えていこうというスタンスです。私自身、組合では総務や健全化を中心にやってきましたから、技術的なことはあまり分かりません。
その辺は、詳しい理事に先頭に立ってやってもらって現実的に対処していければいいかなと思います。みなさん気心が知れている仲間ですから、そういう点ではやりやすいですね。基本的には兼次民喜前理事長(現相談役)の時と大きな変化はなく、行政との信頼関係を維持していく路線は踏襲するつもりです。
―パチスロ市場が回復傾向にある一方で、保通協の適合率は依然として厳しい水準にあります。この辺の打開策などはありますか。
小:適合率というのは結果であって、機械性能と密接に関わる部分であるため、低い適合率に対してその打開策を組合が掲げるのは非常に困難です。ただ、組合としては不適合になった型式の原因分析を行なっていて、それによるとAT機は1600回試射試験での不適合が多く、全体の7〜8割を占めています。これについては先の規則改正の元になった4時間5万円という基準で1600回試験が追加されています。当時、1600回・150%を基準として400回、6000回、1万7500回の出玉率の案が提示されています。その後、1600回以外の出玉率は要望の結果、多少のかさが上がりました。しかし、1600回の出玉率は基準となるものであったために上がっていないのが影響しているのではないかと思います。
一方、ノーマルタイプはシミュレーション試験での不適合がほとんどで、元々シミュレーション試験は、前々回(平成16年)の改正時に導入されたサブ基板でのATをきっちりと性能把握するための試験でしたが、当然、すべてに適用されています。今後とも、組合員の適合率向上の一助となるように不適合の要因を分析して、引き続き、行政にも開示・説明していきたいと思います。
―総会時に「遊技人口減、特にスリープユーザーに再度遊技してもらうためにノーマルタイプのようなシンプルで遊びやすい適度な射幸性を持ったパチスロを提供していくことが必要である」と強調されていました。今後はノーマルタイプの市場導入台数は何台くらいを目標にしたいですか。また、スペック的な割合として何割くらいをノーマルタイプにしたいですか。あるいはどれくらいの割合が理想的と考えていますか。
小:ノーマルタイプの市場設置台数を何台ぐらいに、あるいは比率をどのくらいにしたいかというのは非常に難しいので、現状では答えられません。その前にまず既存ユーザーの減少を食い止め、さらにスリープ、ノンユーザーをホールに呼び戻すことです。あるパチスロユーザー調査によれば、休止者や遊技頻度の減少者の意見には「今の機械は勝ちにくい」というのが4割以上に上っています。それに続いて多いのが「遊ぶのに時間がかかる」です。対してノーマルタイプはATに比べ勝ちやすく、遊ぶのに時間がかからない遊技です。が、ボーナスの獲得枚数に不満を抱えているユーザーも多いのは事実です。今後、ノーマルタイプが既存ユーザーの減少を食い止め、スリープ、ノンユーザーをホールに呼び戻すための一助となるものにしたいと思っています。そこにはユーザー数を規則改正前に戻したいという強い思いがあります。
日電協 新役員 |
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理事長 | 小林友也 |
副理事長 | 里見治紀 |
副理事長 | 大泉秀治 |
副理事長 | 信田裕一郎 |
専務理事 | 飯島久司 |
常務理事 | 鶴見雅男 |
理事 | 国本貴志 |
理事 | 沖田勝典 |
理事 | 宮良幹男 |
理事 | 正岡伸朗 |
理事 | 岩堀和男 |
監事 | 湯澤 哲 |
監事 | 佐野詳一 |
相談役 | 里見 治 |
相談役 | 佐野慎一 |
相談役 | 兼次民喜 |