6月8日、日電協の通常総会が都内の「パレスホテル東京」で行われ、役員改選では新理事長に小林友也氏が選任された。
小林新理事長は総会後の会見で「今後、注力していきたい取り組み」として次の3点を挙げた。
①スマスロのさらなる推進……昨年の11月から4月末の約半年間でスマスロはのべ約17万台を販売した。パチスロ設置台数は5月末で約140万台。その内訳はノーマルタイプが約40万台、ATが約100万台なのでATの約17%がスマスロに代わった。今後、3年から5年程度でパチスロの大半をスマート遊技機化し、ホールの経費削減や従業員の負担軽減、騒音対策などで業界に貢献していく。
②スリープ・ノンユーザーへの訴求……現在、遊技人口は720万人といわれているが、スリープ・ノンユーザーにも遊んでもらいたい。そのようなパチスロが開発できる環境を整えるとともに、日工組が中心になっている広報活動に全面的に協力し、既存ユーザーはもちろん、スリープ・ノンユーザーにも訴求していく。
③中古機流通のさらなる健全化と適正運用……脱コロナに向けて社会が動き出しているが、燃料費・人件費・物価の上昇などで依然として厳しい状況が続いている。遊技業界でも特に中古機流通において人件費の上昇、物価の高騰などが重くのしかかっている。先駆者が知恵を絞り、素晴らしい中古機流通制度を作り上げてきたが、現状を考慮しつつ、ホール・販社・メーカーが知恵を出し合い時代に適した運用を行うために議論を進めていきたい。
また、パチスロ市場ついては「6.5号機、スマスロで販売台数は増加傾向にある一方で、ノーマルタイプについては出玉が3分の2になり大変苦しい状況が続いている。今後はノーマルタイプの状況次第だが、全体としては上向き傾向になっていくと考えている。スマスロと6号機との併用期間についてはATのみに限れば3年〜5年。ノーマルタイプはホールのニーズにもよるが、今の段階では期間は分からない。また、メダル機の30φのニーズは今後も残るのではないかと思っている」と見通しを語った。
さらに、ノーマルタイプの今後について「ボーナス獲得枚数に不満を持っているユーザーが4割以上いるというアンケート調査結果がある。一方で、シンプルで分かりやすい、目押しや出目、メダル持ちの良さなど、AT機との差別化を評価しているユーザーも一定数いる。また、スリープユーザーがパチスロをやめた理由として、遊び方が複雑になったなどを挙げているので、シンプルで遊びやすく、ある程度の出玉が感じられる遊技性を持った遊技機としていくことで、既存ユーザーはもとより、スリープユーザーにも参加してもらえる遊技機開発を目指していきたい」と意気込みを示した。
なお、令和4年度の新台販売台数となる日電協証紙発給枚数は、スマスロ効果に伴い昨年度比11.7%増の55万1637枚となった。
<日電協 新役員(敬称略/2023年6月8日)>
理事長 小林友也
副理事長 里見治紀
副理事長 大泉秀治
副理事長 信田裕一郎
専務理事 飯島久司
常務理事 鶴見雅男
理事 国本貴志
理事 沖田勝典
理事 宮良幹男
理事 正岡伸朗
理事 岩堀和男
監事 湯澤 哲
監事 佐野詳一
相談役 里見 治
相談役 佐野慎一
相談役 兼次民喜