遊技機メーカーの2023年3月期第3四半期決算が出そろった(ユニバーサルエンターテインメントは2022年12月期決算)。
2月10日までに発表された4社(藤商事、SANKYO、平和、セガサミー)については既報https://www.pidea.jp/articles/1676006095のとおり。今回は残り3社を見ていきたい。
オーイズミ<東証プライム6428>の第3四半期売上高は109億8097万円(前年同期比26.1%増)、営業利益5億6200万円(29.9%減)、経常利益5億5700万円(37.1%減)、純利益2億7300万円(52.5%減)と、増収減益で着地した。
遊技機事業は周辺機器部門が堅調に推移したものの、連結子会社2社の取得費用、人件費や広告宣伝費・販売促進費が増加し、営業利益を圧迫した。 経常利益の進捗は通期計画の半分以下に留まっており、非常に厳しい内容と言えるだろう。同社株は発表翌日に大きく売り込まれ、他社が活況を呈する中で8%近い急落となった。
円谷フィールズホールディングス<東証プライム2767>の決算発表は圧巻だった。売上高は896億700万円(前年同期比23.5%増)、営業利益94億7600万円(300.5%増)、経常利益97億4900万円(276.3%増)、純利益56億4600万円(215.9%増)と、前年同期比で4倍もの営業利益となった。これに合わせ通期の業績予想を上方修正。また、年20円だった1株あたりの配当を年60円と3倍に増額。
さらには株主優待としてウルトラマンの記念品を贈呈すると決定した。これら圧倒的な業績、および株主還元は投資家たちの度肝を抜き、決算発表翌日の株式市場では買い注文が押し寄せ、寄り付かぬままのストップ高となった。
同社の好業績を支えたのは、遊技機部門では「Pゴジラ対エヴァンゲリオン ~G細胞覚醒~」が2022年最大のヒット機種となり、「新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~」も増産。コンテンツ部門では中国でのウルトラマン人気が業績を向上させた。日本においても、冬休みに合わせて開催した「ウルトラヒーローズEXPO2023」は前年を上回る集客となり、国内でのウルトラマン人気も浸透しつつあることが確認された。
ユニバーサルエンターテインメント<東証スタンダード6425>は2月14日に2022年12月期の通期決算を発表した。売上高は1409億9800万円(前年同期比55.9%増)、営業利益120億8500万円(516.9%増)、経常利益139億3300万円(黒字転換)、純利益115億600万円(黒字転換)と好業績を示した。フィリピンの統合型リゾート施設「オカダ・マニラ」の回復が大きく寄与。ドル高の進行により約100億円の為替差益を計上している。
営業利益は6倍以上の伸長となったものの従来予想の190億円を大きく下回った。未定であった配当を無配としたことも重なり、15日の株価は軟調に推移している。2023年は6.5号機のアナザーゴッドハーデスがフル寄与することから、業績の回復が期待される。