現市場には多種多様なスペックがあるが、多くのスペックが「2種ST」を軸に多様化されているものが多い。その2種STを市場に認知させた初めての機種となるのがシンフォギアで、ショートSTに関してはリリース移行「シンフォギアスペック」と総称として用いられている程に代表機種となっている。
その代表作となるシリーズ機も現在では時代も進み貢献度的には、陰りを見せている状況だ。そして類型機があふれた市場かつ、初代のスペックから低下しただけのPシンフォギア2は当然の結果だったのかもしれない。
しかし「P戦記絶唱シンフォギア3~黄金絶唱~」は再度市場牽引をする可能性を秘めた現市場でも唯一無二の性能を有した機械となっているので、期待して取り扱いには十分に注意して欲しい。そんな本機はシリーズ機を踏襲した、突破型をメインとしたライトミドル機で、前作から飛躍的に向上している点もあるので、比較しながら基本情報を表で確認してみよう。
《基本スペック》
機種名 | シンフォギア3 | シンフォギア2 |
通常確率 | 約1/199.8 | |
RUSH中確率 | 約1/7.8 | 約1/7.6 |
RUSH仕様 | 2種ショートST&LOOP | 2種ショートST |
初当り時RUSH直行振分 | 約26% | 約1% |
初当り時時短1回振分・突破率 | 約74%・約49.6% | 約99回・約50.6% |
TOTAL RUSH 突入率 | 約62.7% | 約51.1% |
RUSH中次回濃厚振分 | 約11.3% | 約11% |
LOOP状態昇格率 | 当選時の約2.5% | 非搭載 |
LOOP状態時継続率 | 約69.5% | 非搭載 |
残保留時C時短確率 | 約1/409※時短250回 | 非搭載 |
RUSH仕様 | 時短11or250+残保留4回 | 時短7or11or99+残保留4回 |
TOTAL RUSH継続率 | 約81.5% | 約82% |
RUSH中MAX出玉・比率 | 1500個・50% | 1300個・50% |
遊タイム | 非搭載 | |
時速獲得出玉 | 約23,000個 | 約12,000個 |
《大当り振分 特図1》
ラウンド数 | 出玉 | 移行状態 | 振分 |
10R | 約1,500個 | 時短250回+残保留4回へ | 0.5% |
6R | 約900個 | 時短7回+残保留4回へ | 25.5% |
6R | 約900個 | 時短1回+残保留4回へ | 74% |
《大当り振分 RUSH(ST)特図2》
ラウンド数 | 出玉 | 移行状態 | 振分 |
10R | 約1,500個 | RUSH(LOOP)へ | 2.5% |
10R | 約1,500個 | 時短250回+残保留4回へ | 4.3% |
7R | 約1,050個 | 0.1% | |
6R | 約900個 | 0.1% | |
3R | 約339個 | 4.3% | |
10R | 約1,500個 | 時短7回+残保留4回へ | 43.2% |
7R | 約1,050個 | 0.9% | |
6R | 約900個 | 0.9% | |
6R | 約378個 | 2% | |
3R | 約339個 | 41.7% |
《大当り振分 RUSH(LOOP)特図2》
ラウンド数 | 出玉 | 移行状態 | 振分 |
10R | 約1,500個 | RUSH(LOOP)へ | 50% |
7R | 約1,050個 | 0.9% | |
6R | 約900個 | 0.9% | |
3R | 約339個 | 17.7% | |
7R | 約1,050個 | 時短250回+残保留4回へ | 0.1% |
6R | 約900個 | 0.1% | |
3R | 約339個 | 4.3% | |
6R | 約900個 | 時短7回+残保留4回へ | 2% |
3R | 約339個 | 24% |
前シリーズ機と大まかなフローは近い仕様だが、各比率などは大きく異なっている。特にRUSH突入率やRUSH時の振分が大きく異なり、次回確定となる時短回数の振分があるだけではなく、明確に時短回数の振分状態を変化させたLOOP仕様を搭載した2段階RUSHともなっているのだ。
RUSH突入はシリーズ通して基本的には突破型であったものが、その突破要素も突破期待度も維持しつつ、RUSH直行の振分を1/4以上も搭載。突入率はシリーズ最高峰まで跳ね上げた仕様となっているのだ。
そして、RUSH中のラウンド振分は4種だが、時短振分により10種程ある非常に複雑な仕様になっている。そしてラウンドにより次展開の期待値が異なる振分となっている。
上位RUSHとなるLOOP状態では、MAXラウンドが継続確定となっており、仮にLOOP状態から落ちたとしても通常STへ移行し、一部では次回濃厚STへの移行となっている。前作との比較では最大出玉も大幅に向上しており、前作との比較では向上している点ばかりで、現市場の同確率帯機の中でも最高峰に甘い超高性能スペックとなっているのだ。
原作新シリーズを題材にしており、演出法則はそのままで一新されている。今作も専用筐体で、風を噴射するギミックが新しく追加されている。演出カスタムもシンプルながら「レバブル」や「一発告知」などを搭載している。RUSHを賭けた演出とRUSH中は、お馴染みの演出モードに加え、新モードが追加された。
スペック的な演出面で、次回濃厚となる250回時短時は、前作同様に事前に告知することはなく、通常STとなる時短+残保留の11回で当選が果たせなかった場合にリザルト画面にて流れ星演出の後にVストックを獲得する演出で告知する仕様になっており、確率は低いが残保留でのC時短当選時も同様の演出となるので、詳細な振分を認識するのは困難な仕様となっている。
そして、上位RUSHとなるLOOP状態へは「絶唱図柄揃い」から移行するので、シリーズでは初となる図柄揃い後の期待感を感じるものにもなっている。
本機の訴求ポイントは「スペック」となるだろう。コンテンツはPSともにシリーズ機が現存しているので、最新作であることを専用筐体のアイキャッチにて訴求する程度で十分だろう。CMも多く打ち出されていることからCMを利用した訴求も効果は高くなるだろう。
そして、重要となるスペック訴求はなんと言っても「シンフォギアスペック」と類型機が溢れた市場へのアプローチとして「突破型」のイメージを緩和する「RUSH突入率60%OVER!RUSH直行25%OVER!」が右打ち突入期待値を重要視される現市場では効果的となるだろう。
そして、前作が初代の実績には遠く及ばなかった理由の1つでもある、「甘さ(スペック)」は前作から飛躍的に向上しているので、前作シリーズとの比較が効果的となる。
7月にリリースされた「戦国乙女LB」は、前作からフローが異なるだけでスペックはほぼ変わらないものとなり、シリーズ機では非常に低い実績ですでに厳しい状況にある。しかし本機はシリーズと比較しても非常に高い性能を有しているので、変なシリーズ機の流れを絶つためにも、性能が飛躍的に向上している訴求は業界として行うべきだろう。