高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座
[第4回]SAとBAの数値を把握せよ!
「CRカウボーイビバップ H9AX3」機種運用のポイント
まずは、スペックの再確認。
・特賞確率=1/399.6(高確=1/90.0) ・確変ST突入・・・初回=72%・継続=100%
・電サポ回数=ST中=170回・通常後=100回
・計算出玉・・・(通常当り)下8R=672個・(確変当り)8R+1R=756個・13R+3R=1,344個
参考販売台数は、「2万台(+α)」程度。
◆スペックの留意点
やんやかんやと「ロングST」仕様です(ミドル【M9MAX】も同様の「ST=170回」)。ST突入後の継続率は「85%」と、「牙狼FINAL」(同=77%)・キン肉マン(確変=77%)と比較しても、相当に高い数値となっていますが、まぁ「これが狙い!」と言えばそう言えるかもしれませんね。問題点があるとすれば、この『ロングSTの消化時間は?』との問題がありますが、そのあたりの精査は、【甘ベース性能】の項目で触れていますので、必読してください。
◆【ステージ性能】
「やや辛め」の性能であり、更に「ワープ入賞も辛め」の基本ゲージですから、設置傾斜の差による『スタート差は小さく、個体差も小さい』と想定されます。ココでのポイントは特にはありませんが、とりあえず設置傾斜は「3分5厘」でOKでしょ。
◆【スタート入賞性能】
風車直近上部「寄釘」ポイントのピッチは、「板11.50」がオススメ。「ここが広い」ゲージ設計は、比較的スタートスランプが大きくなる傾向がありますので、注意が必要です。
※<ココでの運用ポイント>※
へそ横【ジャンプピッチ=板12.50】が基本ベースですが、この部分のピッチ差「板0.25差」で、スタート値差は「0.2回」程度の変化を伴います。ちなみにこの「S=0.2回の差」ですが、アウト4万で「台粗利=5000円」強の差額に該当します。
◆【アタッカー&出玉性能】
基本的に「下アタッカー」での出玉がメインとなります。上「Vアタッカー:は、玉が逃げるポイントが無い。「Vアタッカー」は「1R・3R」の開放がありますが「1R=80個」「3R=240個」で固定想定で、下アタッカーでの「8R・13R」が出玉差異のとなりますね。
※<ココでの運用ポイント>※
役物からアタッカーに向かう「玉の軌道」により、そのほとんどの玉はアタッカー入賞に向かう軌道となり、「In/Out」の【V字釘の位置】が変化しても、大きな出玉差は生じ難い設計ゲージです。仮に、釘位置が大きな変化しても、「その差は30個程度にしかならない」ことは、承知しておきましょう。
◆【甘ベース性能】
上記にある通り、【ロングST仕様】の注意点として「ST=170回」中においての「SA値」が問題です。一応の想定値として【SA値=16回】を想定していますが、シミュレーションしてみましょう。<計算式=170(回)÷16(回)=10.6(分)>・・・つまり、ST終了した場合の消化時間が「10分40秒」程度必要になるって事です。この場合、BA値が仮に「85%」とした場合、【減少玉数が約160個】となります。
※<ココでの運用ポイント>※
問題は、『平和の枠の上皿の玉数が、155個前後』であると言うことです。つまり、「甘ベースは85%以下にすると、ST中に上皿の玉が無くなる」って事になりますね。
よって結果的には、「甘ベース85%」以下は避けるべきでしょう。ちなみに、牙狼FINALは「ST=23回前後」で、消化時間「7分程度」ですから・・・。
◆※要注意〜【右フロック】の入賞率
右打ち時の玉軌道は、『すべてが右フロック入賞口周辺を通る』ゲージ設計です。また、そのフロックの「賞球数=7個」となっており、出玉個数への影響は大きくなる可能性を含んでいます。入賞口直上のピッチが狭くなると、玉の勢いが殺され、フロック入球率が下がります。
<総評>
兎にも角にも、「SA値」を知ってから「BA値」が決まります。その数値的根拠は「上皿玉数」にある。その【数値の連動】を把握した上で、運用・活用されたし。
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高橋正人
パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。